法と日常の交差点:不朽の名作『ショーシャンクの空に』
弊社の顧問、佐久間修氏による「法と日常の交差点」は、法律の話をきっかけに、日々の出来事や物語のワンシーンを少し違った角度から見つめてみるコラムです。
厳密な解説だけではなく、エッセイのように気軽に読んでいただける内容もございますので、お楽しみいただければ幸いです。
今後、月に1回のペースで公開してまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
不朽の名作『ショーシャンクの空に』
アンドリュー・デュフレーン(アンディ)は、妻と愛人を殺害した罪で終身刑となり、ショーシャンク刑務所に収容されます。その中で、ボリス・レディング(レッド)と知り合ったアンディは、さまざまな苦難や悲劇に見舞われますが、希望を失うことなく生き抜きます。この映画のテーマは、「希望の大切さ」といわれますが、野田進=松井茂記編『シネマで法学』(2000年、有斐閣)247頁以下では、もっぱら冤(えん)罪の恐怖や刑務所内の暴力・腐敗、出所者の自殺に象徴される社会復帰の困難さを強調しています。
しかし、私にとって最も印象的だったのは、レッドの仮釈放委員会でのやり取りでした。これまで40年間にわたり、「更生したと思うか?」と問われ続けてきたレッドは、最後にこうつぶやきます。
「更生? 言わせてもらうが、そんなの俺にとっちゃ、ただの作られた言葉だ。… ほんとに知りたいことは後悔してるか、だろう? … 後悔しない日などない、罪を犯したその日からだ。なにも刑務所に入れられたから後悔してるんじゃない。… あの当時の俺は1人の男の命を奪ったバカな若造だった。そいつと話がしたい。まともになれって言ってやりたい。… でもムリだ。若造はもういない。残ったのはこの年よりさ。とりかえしはつかない。更生? 全く意味のない言葉だ。仮釈放不可の判を押せ。これは時間のムダだ。正直言って仮釈放など、もうどうでもいい。」
こうした心からの反省の言葉を聞いて、ようやく仮釈放の「許可 Approved」が出るわけです。自分が犯した罪の代償を支払うことなく、本当に罪を償ったといえるでしょうか。近年「再犯の抑止」だけを唱える風潮があるものの、一般国民の刑罰観からは遠く離れています。なお、この映画の原題は、The Shawshank Redemption でした。Redemptionの語は、「償却」や「救い(救出)」、「埋め合わせ」と訳出されますが、ここで最もふさわしい言葉は「罪のあがない」でしょう。

<参考文献・映像>
・1994年公開、アメリカ映画(DVD)。フランク・ダラボン監督『ショーシャンクの空に』ワーナー・ホーム・ビデオ
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