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  1. RPAエンジニアの現場通信 vol.1|AIを使いすぎるとバカになる?
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2026.09.11

RPAエンジニアの現場通信 vol.1|AIを使いすぎるとバカになる?

RPAエンジニアの現場通信 vol.1|AIを使いすぎるとバカになる?

先日「AIを使いすぎるとバカになることをMITが報告した」という記事を読みました。
正直なところ、私は少し引っかかりました。というのも、自分ではむしろ逆の感覚があったからです。
生成AIを使うようになってから、「何をしたいのか」「どこが問題なのか」「どんな条件を守ってほしいのか」を、以前より細かく言葉にするようになりました。
曖昧な頼み方をすると、曖昧な答えが返ってくる。だからこそ、自分の考えを整理し、できるだけ具体的に伝えようとする場面が増えた気がしています。
それなのに「AIを使うとバカになる」とは、どういうことなのだろう。
気になって、元になったMITの研究を調べてみました。

すると、少なくとも「AIを使うと知能が下がる」と証明した研究ではありませんでした。
エッセイの執筆を題材に、AIを使った場合と、自分で考えて書いた場合などを比較した研究で、現時点では査読前の研究原稿として公開されているものでした。
研究者自身も「AIが人をバカにする」といった表現は避けてほしいと説明しています。
研究ではAIを使って文章を書いた人は、自分で書いた人に比べ、直前に書いた内容を思い出しにくいなどの傾向が見られました。
ただ、これも「AIを使ったから能力が落ちた」と単純に言える話ではありませんし、研究の対象も文章作成という限られた場面です。

私がそんなことを調べていた頃、大阪に住む非エンジニアの姪が知人からの依頼でお店のWebサイトを作っているとの相談がやってきました。
生成AIに相談しながら進めたことで見た目はとてもきれいなものができています。
その知人からの依頼で新しい機能を加えようとして改修を始めたのですが、AIの提案を試すたびに別の場所が動かなくなり、最後には「AIの間違った指示のせいで全部やり直し」と半べそ状態でLINEの長文がやってきました。

一式を受け取って確認すると、前処理が無視されたまま部分的な修正が何度も積み重なり、繰り返しつぎ足された「秘伝のソースコード」になっていました。
姪に「そもそも何を実現したかったのか」を確認すると、驚いたことに「どうして動いているか」だけでなく「開発に必要最低限と思われる用語」もわからないという状態でした。
このとき感じたのは、姪がAIから借りていたのは作業効率ではなく「理解するための時間」だったのかもしれないということです。

この研究のタイトルには「認知負債(Cognitive Debt)」という言葉が使われていました。
少し難しい言葉ですが、AIのおかげで早く形にできても、そのときに後回しにした理解や確認が、後で説明や修正が必要になったときに負担として返ってくる ―― 今回の件になぞらえてこう考えてみると、少し理解できた気がしました。

これは、Webサイト作りに限った話ではないと思います。
「AIに文章を整えてもらう」
「数字を整理してもらう」
「長い資料をまとめてもらう」
「いくつかの案を出してもらう」
どれも、とても便利です。

でも、出来上がったものについて、
「なぜ、この内容なのか」
「この数字の根拠はどこにあるのか」
「条件が変わっても同じなのか」
と聞かれたとき、自分で説明できるでしょうか。

一方で、AIにすべてを任せるのではなく自分の考えを先に示して、
「このように思うけど見落としていることはない?」
「この考えを示したときに指摘を受けそうなところは?」
「証明するために検証方法のアイデアが欲しい」
と尋ねる使い方もできます。

同じAIでも、使い方によって「考えることを省く道具」にも「考えを深める相手」にもなり得るのではないでしょうか。
AIは、とても便利です。おそらく、これから仕事の中で使う機会はさらに増えていくでしょう。
だからこそ、「使うか、使わないか」だけではなく、「どう使うか」を、ときどき考えてみてもよいのかもしれません。

AIの回答を見たとき、
「これは自分の言葉で説明できるだろうか」
「私は何を根拠にこれが正しいと思ったのだろうか」
と、少しだけ立ち止まってみる。

AIに借りた速さを、理解や確認で少しずつ返していく。
そんな付き合い方ができれば、AIは私たちの代わりに考える存在ではなく、私たちがよりよく考えるための相手になってくれるのかもしれません。

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